このたび、(一社)和歌山県病院薬剤師会会長を拝命致しました日本赤十字社和歌山医療センターの田辺和史です。会長としての重責に身が引き締まる思いです。会員の皆様のご支援、ご協力のもと職務を全うするよう務めたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
まず、最初に当会のために多大なるご尽力を頂きました篝忠宏前会長に心より感謝申し上げます。有難うございました。
今年度の診療報酬改定のポイントは、薬剤師の周術期における業務が評価され、周術期薬剤管理加算並びに術後疼痛管理チーム加算が新設されました。この周術期に係る業務につきましては、令和3年9月30日に厚生労働省の通知でありました「現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について」の1番目に掲げられていた項目であります。この他にも医師の働き方改革として、薬剤師にタスク・シフト/シェアされる6項目が示されています。2024年4月から医師の働き方改革が本格的に実施されることから、今後、薬剤師へのタスク・シフト/シェアが積極的に行われることが予想されます。医師の業務のタスク・シフト/シェアを円滑に進めるには、多職種による情報共有と多職種協働が重要となります。
さらに、医療の大きな転換期を迎えることになる2025年問題が目の前に迫ってきております。和歌山県においても少子高齢化の波が押し寄せ、和歌山県では平成8年から人口が減少しており、平成23年に総人口が100万人を切りました。和歌山県の地域医療構想では、病床数の減少が計画されています。また、地域包括ケアシステムも2025年を目途に構築が推進され、今後、ますます、医療機関の連携の強化、地域での連携の強化が重要となってきます。
2025年には、和歌山県立医科大学薬学部生の病院実習が開始されます。受け入れ体制の整備はもちろんのこと、卒業後、大きく羽ばたいていただくためには、受け入れ施設による充実した実習プログラムの作成が期待されます。
世の中は、Covid-19の影響により大きく変化しました。学会も、オンライン開催やオンライントと現地開催のハイブリッド型の開催に変化しています。在宅勤務が積極的に導入され、医療の世界でも「オンライン服薬指導」などが導入されつつあります。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、薬剤師の働き方やスキルアップの方法も大きく変わろうとしています。今後、DX化、働き方改革、地域包括ケアシステムに対応できるよう薬剤師も変わらなければいけないでしょう。
このような時代の変化に柔軟に対応できるよう役員一同、会員の皆様と協力し、情報の共有化と連携の強化を進めていきたいと考えています。会員の皆さまには、どうかご協力いただけますようよろしくお願い申し上げ、会長就任のご挨拶とさせていただきます。
2022年7月
一般社団法人和歌山県病院薬剤師会
会長 田辺 和史